
―北太平洋代表地点(波浪計算値)― 巻末資料8に北太平洋代表地点の波高偏差と北半球500hPa高度偏差との相関係数の空間分布図を示す。これらから相関係数が0.6以上の最も高い領域を取りまとめたものを表4.5に示す。代表地点の位置を図4.12に図示する。 資料8と表4.5によると、代表地点に共通する点は、通年平均では波高偏差と500hPa高度偏差との相関は小さいが、季節的にみると負の高い相関域を示すことである。中高緯度海域については、一般に、春季と秋季において、各海域とほぼ同じ緯度経度に負の高相関域がある(北太平洋中緯度西部A、東部D、英国沖、ニューファンドランド沖等)。これは500hPa高度偏差が負の時、。気象擾乱が発達し易いことから、この時波高偏差が正になることに対応するものと考えられる。 赤道海域では様相が中高緯度と異なり、秋季および冬季において、中緯度帯(北緯20度〜45度)の500hPa高度偏差と高い正または負の相関を示す。これは中緯度における大気大循環と赤道域の気象システムが遠隔結合していることによるものと推察される。 アラビア半島沖の波高偏差は、夏季に同海域の500hPa高度偏差と負の高い相関を持つが、これは夏季のインド洋モンスーンと波浪とが密接に関連することを意味するものであろう。 北太平洋中緯度東部D海域の夏季の波高偏差が、インド大陸北部の500hPa高度偏差と負の高い相関を示していることも、興味深い現象である。 前ページ 目次へ 次ページ
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